研究成果

愛着障害児における視床(ししょう)の白質と灰白質の非定型発達を解明

2020-03-07

福井大学子どものこころの発達研究センターの友田明美教授らの研究グループは、反応性愛着障害(RAD)の児童31人と、年齢がマッチした定型発達児41人を対象に、磁気共鳴画像法(MRI)で撮影された脳形態画像を用いて、RAD児は定型発達児と比べて、視床の灰白質容積と視床の白質線維が増加していることが明らかにしました。さらに、視床の灰白質容積の増加と臨床病状との関連性を調べたところ、RAD児の問題行動尺度スコアと視床の灰白質容積増加との間に関連性があることがわかりました。本研究の基に、子ども虐待に起因する RADの脳内メカニズムの理解や治療・支援法の開発に貢献すると考えられます。成果は,英国の科学雑誌「Cerebral Cortex」に公表されました。

Jung M, Takiguchi S, Hamamura S, Mizuno Y, Kosaka H, Tomoda A. Thalamic Volume Is Related to Increased Anterior Thalamic Radiations in Children with Reactive Attachment Disorder. Cereb Cortex 2020; i: 1–8

❊本研究は下記の日本学術振興会科学研究費補助金の支援により実施した成果です。 基盤 A、JST/RISTEX、日米科学技術協力事業「脳研究」分野グループ共同研究助成、 武田科学振興財団特定研究助成: いずれも友田明美